女性が九州男児と働くということ
朝5:30に出社して、只今帰宅。年度末に近づくにつれ、だんだん忙しくなってきたなあ。。。
私は女性であり、九州の会社に所属しているのだが、九州ならではの苦労?がある。
今回はそれをご紹介する。
最初に弁解するが、私は一本気で大黒柱タイプの九州男児が大好きである。しかし仕事で彼らと一緒になると、女性ならではの悩みが発生する。それを今回吐露するのである。
「自分を1番立ててもらわないと嫌だ!」という人ばかりなのである。
彼らがいる環境において、まず女性は一段下に置かれる。
女性が目立とうものなら、すぐに上から圧力がかかってくる。
女性の方が漢字や知識を知っていると分かったら、
仕事を教えてもらえなかったり、無視される。
1回そのようなことがあったら、2日間はみじめな生活を強いられるのである。
たとえば、私の日常会話の一部分を紹介する。
男上司「○○さん、この人の名前の漢字読める?読めるんだったら教えて」
このフレーズには大きなワナが隠してある。
まず男上司は、現状況下において、女性であり、かつ年下の部下である私に質問をしたことにより、自尊心が少し水平線からずれている。
かといって、正しい漢字を教えないと、「こんなことも回答できないのか」と馬鹿にされて仕事が回ってこなくなるのである。
(1)男上司より自分が下であることを絶対条件に、(2)少しバランスを欠いた自尊心を戻してやり、かつ(3)正しい漢字を教えなければならない。
以下にダメ解答を2つ、模範解答を1つ書いていく。
ダメ解答①「ああ、それは★★と読むんですよ~」
二重バツである。男上司より女部下の方が漢字の知識があるということがオフィス内に知られてしまうという、九州男児の最も恐れる事態が発生する。この一言で上司の自尊心は、女の私が想像する以上にブレブレになる。そしてそれをひた隠すために、大いなる虚の尊厳をもって、その日1日雑用を言いつけられるか、もしくは単純に2日間は無視されるだろう。
ダメ解答②「え~分かりません」
これもダメである。
「分からないなら調べろよ、使えん奴だな。」と思われる。辞書を引かずに部下に聞く自分を差し置いてである。この一言で、信用性を大いに失い、大きなプロジェクトが回ってこなくなる。
それでは、模範解答はなんだろうか。
模範解答「難しくて私にも分かりません。今辞書(ネット)で調べてみますね。・・・あっこれですかね?へー★★って読むんですね。全然知らなかった―。私、上司さんのおかげで、すごく勉強になりました。またいろいろ教えて下さいね!ありがとうございました。」
お分かり頂けただろうか。後半の矛盾を。
私が調べて教えたのに、「また教えて下さい!ありがとう」となぜか感謝までしているのである。
フレーズの前半にて自分も知らないことを表明し、調べるという「努力」を目の前でしてみせる。そして中盤にて、自分も知らなかったアピールをしつこくもう1回行う。そして後半がミソで、あえて日本語の錯誤を起こし、女部下が教える立場から、教えられる立場へと瞬間的に入れ替わるのである。
これで条件(1)∧(2)∧(3)を全て満たし、不思議なことに上司は部下に「教えてやった」という優越感まで手に入れ、ご満悦になる。そしてまた普通の日常に戻るのである。
幼いころから男勝りで、変人な(?)私には、これら日常会話が非常に難しく、毎日トラップにかかりまくって、辛い思いをした。
だから、色々考えて、上記の模範解答のような日本語の錯誤を遣うようにしたら、徐々に周囲との関係が良い方向に変わってきた。
しかしこの技法は相手だけでなく、デスクの周囲の人間にさえ矛盾を気づかせないタイミングで言う必要がある。
「あの人ワザと言ってるよ」
というような、人を貶める噂が人間は大好きだから、それを抑制する必要もあるからである。
このような「錯誤」を上手く使いこなすことで、たくさんの重要な仕事が回ってきた。
給料の金額は重要な仕事が回ってこようがこまいが変わらないが、重要な仕事はタダでもやる価値が大いにある。仕事の刺激がないと生きていけないタイプなのである。
皆人間性は良い人たちだから、それを尊重すればどんなに悔しくてもやっていけるのである。
私は極めて楽観主義者なので、それも功を奏して、見下されてもあまり気にならないのである。
しかし近い将来、絶対皆が驚くような人間になってやるぞ、という根性は常にありありと隠し持っているのである。